分解  PART5  2000/03/20

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バルブコッタです。分解時はお見せできませんでしたが、要するに

こんなに小さい部品です。二つでワンセットとなりますがリテーナー

の当たりも考慮するとリテーナー、コッタでワンセットと考えたほうが

良いでしょう。

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分解時の逆になりますがバルブを組み付けます。組み付けた

コッタやスプリングの座りを安定させるため、写真のよう

にプラスチックハンマー等をあてておいて、軽くたたいておきます。

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写真ではわかりにくいですがロッカーアームを組み付けます。

ロッカーアームシャフトをリヤ側から徐々にフロント側へ挿入

して行き、順番にロッカーアームを組み付けていきます。

順番を間違えないように注意しましょう。

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各気筒ごとにプライマリー、セカンダリ、ミッドのロッカーアーム

がワンセットになっていますから注意して作業してください。

間違えるとVTECが利かなくなってしまう気筒が出てきますよ!!

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今度はブロック側の作業です。クランクベアリングキャップ

にメタルを組み付けますが、メタルを交換して組み付ける場合

の作業を紹介します。

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ベアリングキャップを確実に洗浄、脱脂して親メタルを組み付けます。

メタルの爪部分を先にあわせて、メタルとキャップがこすれて

バリ等が出ないように軽く押し込むように組み付けます。

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クランクシャフトはすでにセットされている状態です。

スラスト方向(クランク軸方向)の遊びを規制するスラストメタルも

交換しておいたほうが良いでしょう。ブロック側のメタルも

すでに組み付けられています。

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写真中央の紙で出来ているものがプラスチゲージです。

オイルクリアランスを計測するのに使用する測定器です。

レースではシリンダーゲージとマイクロゲージで測定しますが、

測定データはそれほど食い違いはなく、安価な測定具ですので、

一つ購入しておいても良いのではないでしょうか?

サービスマニュアルには、クランクシャフト ジャーナルの嵌合

マークとシリンダブロック穴経の嵌合マークを調べて嵌合表で

選択すると記載されています。

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オイルクリアランスを測定する前に、一度ベアリングキャップ

及びベアリングを取付け、規定トルクで締付け、ベアリング

キャップ取外し、プラスチゲージを、適当な長さに切って

クランクシャフト ジャーナル部に軸方向に置きます。

ベアリングキャップを規定トルクで締付けます。

規定トルクは7.6〜8.0kg−mです。

締付けはクランクシャフトを回さないように注意して、中央

から外側に向けて対角線状に3回くらいに分けて均一に

締付けます。

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フラッシュで良く見えませんがベアリングキャップを外してみると、

クランク側のほうが良く見えるかもしれませんが、プラスチゲージ

がつぶれた跡が残っているのが分かるでしょうか?

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プラスチゲージの紙は、つぶれた幅でクリアランスが何ミリ

あるかを測定できるようになっています。ミリ表示とインチ表示

がありますので注意してください。また、測定は最も幅広く

圧着された箇所で行なってください。

サービスマニュアルには

  No1,2,4,5ジャーナル 0.024〜0.042mm

  No3ジャーナル 0.030〜0.048mm

と記載されています。

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オイルクリアランスが標準値であれば、再度本組付けです。

プラスチゲージのかすやゴミなどを完全に除去し、

脱脂されていたメタルとクランクの摺動面にオイルを塗布して組み付けます

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今度はピストンの組み付けです。ピストンリングをエキス

パンダリング、オイルリング、セカンド、トップと下のほうから

順番に組み付けます。リング合口が圧縮抜けを起こさない

ように重ならないように組み付けます。

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ピストンとシリンダーの摺動面にもオイルを塗布しておきます。

当然脱脂を確実に行ってからの作業です。コンロッドとピストン

それぞれの向きに注意しながら組み付けましょう。

ピストンが逆向きだと大変ですよ!エンジンによっては

コンロッドも左右対称で無い場合もありますので注意してね!

サービスマニュアルには

 ピストンのヘッド側の”←”がコンロッドの機種マーク側に

 なるようにと記載されています。

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クランクとコンロッドメタルの摺動面にもオイルを塗布します。

初期カジリを防止するならモリブデン等を混ぜると更に効果的

になります。コンロッドメタルもプラスチゲージ等を使って

メタル合わせを行ったものを使用します。

サービスマニュアルには

 規定トルク 3.9〜4.3kg−m

 ピンオイルクリアランス  0.032〜0.050mm

と記載されています。

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ピストンリングコンプレッサーを使用してピストンを組み付けます。

ピストンリングを圧縮させておかないとシリンダーに組み込むこと

が出来ません。このような専用工具を使用しますが、これも安価

なものですので一つ購入しておきましょう。

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ピストンリングを圧縮してシリンダーにゆっくりと傷を付けない

ように挿入します。インテーク、エキゾーストのピストンの向きを

確認しながら挿入しましょう。バルブリセスの大きさで判断できるでしょう。

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ピストンリングは圧縮されていますがやはり若干引っかかる

ところがありますので、そこからはハンマーの柄などを使って

軽くたたいて挿入します。この時シリンダーやクランクにコン

ロッドボルトで傷を付けないように注意しながらの作業となります。

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コンロッドがクランクとドッキングできたら、コンロッドキャップ

を組み付けます。メタルとクランクの摺動部にはエンジンオイル

または、二硫化モリブデンを塗布してから組み付けてください。

コンロッドボルトのネジ部とナット座面にエンジンオイルまたは

二硫化モリブデンを塗っておきます。これは締め付けトルクの

安定のためです。締め付けの途中でナット座面の摩擦やネジ

面の摩擦により、規定トルクをかけているにもかかわらず、

ボルトの伸びが出ていない、つまり締付け力が足りないといった

場合も考えられます。そこまで意識しなくても問題はないでしょうが、、、

さらに、コンロッドとキャップの合わせ面には、オイルや二硫化モリブデン

などを付けないように気をつけましょう。

詳細は、後日述べます。

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コンロッドも規定トルクで締め付けます。規定トルク 3.9〜4.3kg−mです。

トルクレンチも一つ持っておきたい工具です。プリセット型やプレート型

などさまざまな種類がありますが、自分でよく使う、締め付けの範囲を

確認してどのタイプでもかまいませんから、購入しておくと良いでしょう。

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リヤカバーとシリンダーブロックの合わせ面には液体パッキン

が塗布してあります。フロントカバーとブロックとの合わせ面も

同様です。オイルパンを組み付ける前に塗布しておきましょう。

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オイルパンを組み付け、本来の向きにエンジンを戻しました。

これで腰下部分の組み付けは完了です。ヘッドを乗せる前に

ブロックのガスケット面を脱脂してきれいにしておきましょう。

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ガスケットの向きに注意して組み付け、シリンダーヘッドを乗せます。

ノックピンがついていますので、傷を付けないように注意しながら

ヘッドを乗せます。2人で作業するとミスもなく良いでしょう。

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