分解 PART4 2000/03/20
コンロッド側のベアリングをはずします。向きなどにも注意してね!
はずした場所がわかるように、再使用するならメタルの突起部分
などにけがき針などでマーキングなどしておくと便利です。
コンロッドキャップ側のメタルもはずします。コンロッド側と
同じように爪がついています。コンロッド側とキャップ側の
爪が合わさるように取り付いていたのが分かりますね。
これを逆にすると確実に焼きつくでしょう。
ピストンリングをはずします。リングのマークの向きなどにも
気を使ってはずしてね!ピストンを再使用するなら傷を付け
ないように注意しましょう。トップリング、セカンドリングには
向きがありますので刻印(マーク)の打ってあるほうが上に
なっていることを確認しておきましょう。
ピストンにピストンピンが圧入されています。
コンロッドとピストンピンはなめらかに動きます。
F1などはピストンとピストンピンもなめらかに動きます。
(フルフローティングと呼ぶ)その方がフリクションが少ない。
当然ピストンピンの抜け防止にピストンピンクリップがあります。
ピストンピンの脱着は専用工具及び油圧プレスを使用します。
再使用するなら、ピストン別に管理することをお奨めします。
クランクのベアリングキャップをはずします。
クランクを抜くときはオイルストレーナーが取り付いていた
フロントカバー(写真一番左のアルミの部分=オイルポンプ)
とリヤカバーを外さないと抜くことができません。
ベアリングキャップは大きなトルクで締め付けられていますので外側から中央に向かってゆるめていきましょう。外す際は
外れたボルトを、写真のように差し込んで前後方向にこじると
抜くことができます。
クランクジャーナルが見えます。傷などが入っていないか
確認しておきましょう。重い部品ですので取り扱いには十分
注意しましょう。
Hクランクベアリングキャップにもコンロッドと同様に爪があります。ブロックの爪との位置を確認しておきましょう。ベアリングキャップには
矢印と番号が書いてありますので同じところに取り付けられるようにしましょう
写真のようにガスケット面に傷を付けたくないため、ヘッドの
ボルト穴などにドライバーをさして傾けておくと作業がしやすくなります。
バルブスプリングコンプレッサーを取付けて、バルブコッタを
取外します。分解時は各バルブ及びスプリング等の関連部品
はマークを付けて各シリンダー毎に整理保管し、取付ける時は
同じ位置に取付けましょう。
バルブスプリングコンプレッサーの下の部分を確実にバルブに当てて上側をバルブスプリングリテーナーに密着させてからバルブスプリング
を徐々に圧縮させていきます。
ある程度縮まったら磁石などを使用してバルブコッタを取り外します。バルブコッタはバルブの溝部分に挟み込んでリテーナーで
引っかかるような構造になっています。細かい部品ですので、
なくさないように注意しましょう。
バルブコッタを取り除いた後、バルブスプリングコンプレッサー
を緩めて外します。バルブコッタが外れると後はすべて手で
外すことができます。
リテーナー、バルブスプリングが外れました。再使用するなら同じところに取り付けられるように、分けて保管しましょう。
バルブスプリングには向きがありますのでペンキが塗ってある部分、
もしくはスプリングの目が詰まっている部分を確認しておきましょう。
バルブを取り外します。バルブはステム部分の摩耗や曲がり等が
ある場合は交換します。摩耗の場合バルブガイドの径も大きくなっている
場合がありますのでガイドの打ち代え等も考慮しておきましょう
ヘッド側にはバルブスプリングシート、ステムシールが残っています。
ステムシールはオイル上がり等に影響するパーツですので、
分解時交換します。バイスプライヤー等を使用して取り外しますが
ちょっと大変です・
エキゾーストの1番バルブが外れている状態です。径の小さいほうがEX、大きいほうがINになります。
外れているバルブの奥に見えているのがバルブガイドになります。
燃焼室のカーボンを除去する場合は、ガスケットリムーバー等
(塗料の剥離剤)使うとよく取れます。洗浄するときはバルブシート
に傷を付けないように注意しましょう
バルブとバルブシートの当たり面を密着させるためバルブの
擦り合わせ(通称:タコ摺り)を行います。バルブとシートの
当たり面の幅はIN、EXとも1.25〜1.55ミリとなっています。
あまり幅を広げてしまうと面圧が下がり、圧縮抜けを起こし
やすくなるため既定値に入れるように心がけながら作業しましょう。
バルブフェース面にコンパウンドを少々塗りバルブラッパ
(通称タコ摺り棒)を使って摺り合せを行ないます。
摺り合せ中、コンパウンドがステムとバルブガイドに入らない
よう気を付けること。
摺り合せ完了後はコンパウンドをよく洗い落としましょう。
摺り合わせ方は、タコ摺り棒を一方向に回転させながら
擦りあわせを行います。
当たりは、光明丹で点検をします。(マニュアル風ですが、、)
実際は、オイルを少量塗布して確実に当たりが全周、均一に
なっているか確認をします。
ステムシールの打ち代えは本来、専用工具で圧入するものですが、径のあったラチェットのこま等を利用して、写真のようにドライバーを差し、
軽くたたいて入れることもできます。