分解 PART2 2000/02/16
念のため、タペットクリアランスの測定しておきましょう。
タペットクリアランスは車上整備でも確認、調整が出来る
のでこまめに調整してあげるとエンジン本来のポテンシャル
を維持することに貢献できます。ただし誤組や閉め忘れ等を
起こしたら何の意味もありませんが…。
カムシャフトホルダーのボルトを外側より緩めますが、ひずみ等を
考慮して外側から中心に向かって対角線上に徐々に緩めます。
ただし、バルブがリフトしているところがありますから、
カムシャフトに無理がかからないように、すべてのボルトを
ゆっくり均等に緩めていきます。
カムシャフトホルダーをはずします。アルミ製ですので落として
ジャーナル部に傷をつけ無いように慎重に作業しましょう。
カムシャフトホルダーはヘッドと共加工(組み付けた状態で
カムシャフトが入る穴を加工している。)がしてあるものですから
それぞれのヘッド専用になっています。
必ずヘッドと共に保管するようにします。(ヘッドがたくさんある場合)
フロント方向〔1番シリンダー〕を示す矢印マークとそれぞれ
フロント方向からの番号がふってあります。確認しながら
外していきましょう。番号が入っていないことは無いと思い
ますが入っていない場合は自分なりにマーキングをして
おけば問題無いでしょう。
場所を確認しながらはずしていきます。EXの1番と5番、
INの1番と5番カムシャフトホルダーにはオイル漏れを防ぐ
ため液体パッキンが塗布してあります。バルブスプリング
の半力によって剥がれてくれると良いのですが、くっついて
いる場合はプラスチックハンマー等で軽くたたいて外して
あげるといいでしょう。
3番カムシャフトホルダーの中央にはノックピンとOリングが入っています。このような細かいパーツを外さずにヘッドを逆さ
にしてしまったりすると無くしやすいパーツですので、
確実に外して保管しておきましょう。
オイルオリフィスはIN・EX共、1番カムシャフトホルダーを外すと確認できます。M5のめねじがありますので、
サイズの合うボルトねじ込んで引き抜きます。
IN、EXで形状が異なるため注意
傷を付けないように慎重にカムシャフトを外します。
カムオイルシールは分解時交換部品です。
ただし、カムプーリーを外さないと抜くことが出来ません。
カムシャフトに傷がつかないようにバイス等に保護カバーを
取りつけボルトを緩めるか、5mmのピンドライバーをカムシャフト
に差込み周り止めしてから緩めることも可能です。
指で指している部分はディストリビューター用のスリット(切りかき)です。ディストリビューターを外すときに説明しましたが、
若干オフセットしています。このスリットがある方がインテークで、
無い方がエキゾ−ストとなります。
タイミングベルトプーリーが外れたので、バックカバーも外すことが出来ました。これでほとんどの補記類を外すことが
出来ました。このエンジンはかなりきれいですが、
バックカバーを外した部分にオイルが付着している状況なら、
カムオイルシールは確実に交換しましょう。
カムシャフトも外れ、ロッカーアームが見えてきました。カムジャーナルの部分に穴があいていますが、この穴が
ヘッドボルトの入る穴になっています。要するに、ヘッドは
カムシャフトを完全に外さないと取り外すことが出来ないわけです。
ロッカーアームAssyがバラバラにならないように輪ゴム
などで止めておくと便利です。
ヘッド後方にあるシーリングボルト(めくらボルト)を外しロッカーアームシャフトにM12サイズのボルトを差しこみ、
スライディングハンマーの代わりに、モンキーレンチ等を
ボルト座面に引っ掛けプラスチックハンマーで軽くたたいて
引き抜きます。
ボルトを引き抜きながら、ロッカアームAssyを順次はずしな
がら、ロッカーアームシャフトを抜きます。先ほど外した
オイルオリフィスが位置決めの役割も兼ねていますから
確実に外れていることを確認してから作業してください。
プライマリー・ミッド・セカンダリーロッカーアームが外れました。
外したロッカーアームは再使用するさい元の位置に組付けるので、
はずした位置がわかるようにしておきましょう。注意
ロッカーアームのピストン(VTECを作動させる)を点検、
指で押して動きがスムーズでないときはAssyで交換します。
いよいよヘッドボルトを外します。ヘッドボルトは大きな
トルクで締め付けられていますのでヘッドのひずみ等を考慮し、
一度にゆるめず外側から対角線上に、中心に向かって
緩めていきます。エンジン台が無いときはミッション側を下
にして立てて作業するとトルクがかけやすくなります。
全体に一度緩めたらあとは順番にボルトを外していきます。
完全に緩めたら、磁石などを使ってボルトを確実に外しておきましょう。
ヘッド脱着の際にガスケット面に傷をつけたり、ボルトがひっかかったり
することが無くなり作業しやすくなります。
へッドを上方に引き上げ、外します。ガスケットが張り付いていて簡単に外れないことがありますので、事前にプラスチックハンマー等で
軽くヘッドを上方に向け、叩いて張り付きを取り除いておくと
ヘッドは重いですが簡単に脱着することができます。
ノックピンがあるので注意してはずしましょう。
取り外したヘッドはガスケット面に傷をつけないように写真のように横向きに置くようにしましょう。ガスケット面
(G面と呼ぶことが多い)に傷をつけると、圧縮漏れや 水とオイルが混ざってしまうなどエンジンパワーに、直接悪影響を及ぼす結果になってしまいますから慎重に作業するように
心がけましょう。
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